看護の潮 現代の小児看護
小児と入院—心理面からみた入院中の小児の扱い方
松浦 美智子
1
1病院管理研究所
pp.42-47
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913308
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
疾病は個人の身体的な面の障害ばかりでなく,心理的情緒的な面までにも波紋を及ぼし,感情障害を引き起こし,その結果,疾病の経過ばかりでなく,その後の個人の生活に重大な影響を及ぼす。特に,身体的に,情緒的に,社会心理的に発達途上にある小児のうえに疾病が起こった場合は,おとなとは全く異なった反応型がみられその後の影響が個人史に深く刻みこまれる。たとえば,子どもの病室生活という限られた時間に限定しても,食べない子,泣いてばかりいて眠らない子,夜尿する子,ひねくれていて取り扱いにくい子,面会時間が終わっても両親にべったりくっついて離れない子,時には反抗して手のつけられない子などがみられる。
疾病や入院が,小児の情緒に影響を及ぼし,健康時や入院前にはみられなかった特有の反応を引き起こしている。これらの影響や反応を防止するには,小児の身体的心理的条件に適した環境のもとで,小児にふさわしい医療の仕方や看護の方法が見出されなければならない。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.