看護の潮 現代の小児看護
看護婦と病気の子ども
松田 道雄
pp.22-25
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913304
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看護婦は治療における人間性の代表
さいきんの治療医学の特徴の一つは,治療技術の近代化が治療の根底である病人と治療するものとの人間関係を解体させつつあることである。医者は病人という人間よりも,病人の肉体の一部についての検査データにより多くかかわるようになった。
なるほど病人は,その肉体の一部に客観的に証明できる病変の持ち主にはちがいないが,病人の悩むものは,病める人間としての意識によってである。病変をなくすことだけが治療でなく,病める人間としての病人に,同じ人間としての励ましをあたえることが,治療である。人間的なつながりの失われるところでは,病人は病変をなおしてもらっていても,治療されていると思わない。
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