看護の椅子
日日是好日
東 陽一
1
1東京厚生年金病院
pp.13
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912687
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看護婦のみなさん! あなた方はほんとうによい職業をお選びになりました。私は男でありますから看護婦にれないのは当然でありますが,私が職業として医師を選んだことは,その動機の如何を問わず,すばらしいヒットであったと50年に近い過去を顧みて微笑むのであります。医師としての仕事は肉体的にも精神的にも随分激しいものであるけれども,私は未だかつて,それを金をもうける手段に過ぎないというように考えたことは一度もない。
流行歌手などに比べると問題にならぬ僅かな月給ではあるが,平素患者の診療に際して,あれでもないこれでもないと考えぬいた末の診断が適中していたり,苦痛にもだえている患者を手術で一転,救い得たときなどの喜びは金銭でどのようにして数えるのであろうか。
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