連載 リレーエッセイ 事務長の所感・13
日日是好日(禅の体験より)
大江 唯之
1
1特定医療法人黎明会北出病院
pp.165
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100248
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寺の境内の大きな杉の木の下で,老僧が落ち葉をかき集めている.そこへ若い修行僧が通りかかる.「おまえさんは何処から入って来たのか」と老僧の質問にどう答えたらよいのか.「大道無門」という禅語はこの辺から出たようである.
風門だの鬼門だの同じ中国から渡来した易学では難しくいわれているが,禅の世界では何事にもとらわれてはダメで無や空がいわれ,修行の終着点は「生死の脱却」であるといわれている.金剛経にある「応無所住而生其心」も生死さえ心に留めずという意味である.
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