看護□人間工学
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倉田 正一
1
1慶応義塾大学病院管理学
pp.74-75
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912601
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どうしてわれわれはものを見ることができるのであろうか。眼があってはじめて物をみることができる。ある物体からでた光または反射光が眼に入り網膜に当たるとここに一種の変化を生ずる。すなわち光の物理的エネルギーは生理的エネルギーに転換されて興奮を起こし,神経を通じて大脳の視覚中枢に刺激が伝えられる。脳ではここで過去の経験に照して何であるかを判断する。ここではじめて見るという機能が成立つのである。光,眼,視神経,視覚中枢どれが欠けても視覚は成立しないのである。
諸姉は既に視力,視野,順応,両眼視,眩輝,色覚などの解剖や生理などについて,また心理学的な研究の概要を習得しておられるので,ここではその応用とも考えられる視覚表示の問題を人間工学の立場からのべてみよう。
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