特集 看護婦の勤務と生活の合理化
第4部 生活を豊かにするために
スランプの切りぬけ方
加藤 正明
1,2
1国立精神衛生研究所心理学部
2東京医科大学
pp.139-140
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912563
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□スランプとはなにか
よく世間ではなにか調子がでなくなると,とかくスランプのせいにしたがる。めいめいの能力や体力に応じた調子が,いつもほどでなくなつてくると「どうもスランプ気味だ」といえば,なんだかわかつたような気になるものらしい。
よくあるのは,初めて新しい仕事についたときは,あれもしたい,これもしたいと希望に燃えているが,やがて3年たち,4年たつうちに,仕事はマンネリズムになり,毎日の機械的な業務をただ反覆しているに過ぎなくなる。心理的にみれば,初めは高い欲求水準をもつていたのが,次第に水準を低くしていき,しまいには紋切型の惰性になつて,心的に飽和した状態になることである。
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