Nursing Study
基礎体温について—Basal Body Temperature
横山 久代
1
1国立京都病院産婦人科
pp.62-64
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912471
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産婦人科学の領域において,月経周期と関連して,婦人体温がわずかながら変化することは,割に古くから知られてはいたが,近年Rubensteinなどがその測定法を考案して以来,基礎体温が診断の補助や治療上の指針として,重要な意義を持つことが認められるようになり,臨床的にも種々の目的で利用されるようになった。では,この基礎体温とはどんなものであろうか,またどんな意義をもつものであるか,こうしたことをより十分に理解した上で,より正しく患者の指導にあたることが,産婦人科診察室に勤務する看護婦の大切な役割の一つと考えていろいろ勉強し研究してみた結果を,不十分ながらここにまとめてみた次第である。
1.基礎体温とは何か
基礎体温の基礎というのは,基礎代謝における基礎と同様の意味をもつもので,筋肉運動,飲食,精神活動などのいずれをも伴わない状態で測定された,基礎的な婦人体温という意味である。すなわち,その目的のために成熟婦人が毎朝覚有時に,就床のままで口腔舌下検温を行なって,得られた体温測定値を特定の温度表に毎日連続記入すると,月経周期の間に生理的な体温曲線の変化が明瞭に現われ,しかもこの体温曲線が,女性の内分泌機能と密接な関係を持っていることが明らかにされて,基礎体温と呼ばれ重要視されるようになったわけである。
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