医療の焦点
誤診
水野 肇
pp.54-55
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912439
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水虫の治療にレントゲン照射をして,それが原因で皮膚ガンになった患者から,1千万円近い損害請求がでて地裁の判決で,患者の勝訴に終わり,急に誤診問題がクローズアップされはじめている。
この“水虫裁判”は今から数年前に,水虫になやんでX線治療を受けた患者が,その結果,皮膚ガンになったとして835万6202円を支払えという請求をおこしたもので,たまたま治療した病院が国立病院であったために国を相手どった形になった。第1審では患者側が勝ち,東京地裁は,国が835万6602円と法定の利子を支払えといい渡している。これに対して国は控訴しているので,最終判決はどうなるかはわからないが,国が勝つ見込みはきわめて少ないとみられている。
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