座談会
誤診
懸田 克躬
1
,
猪瀬 正
2
,
横井 晋
3
,
室伏 君士
1
,
新福 尚武
4
,
江副 勉
5
1順大精神科
2横浜市大精神科
3群大精神科
4慈恵大精神科
5松沢病院
pp.957-972
発行日 1968年12月15日
Published Date 1968/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201412
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まえがき
誤診をさけようという心構えをもたないものはありますまいが,現実にこれを皆無とすることはほとんど不可能というに近いことだといつてよいと思います。すこしく注意すれば避けられるはずのものが,慎重さを欠いた安易な態度から誤診をきたすという場合を論外とすれば,われわれは,いつも手痛い誤診の経験をしたときには,つねに,そこから何かを学びとつてくる,あるいは病気に対する認識をあらたにし,診療に対する態度を反省しなおすということが大切なことではないかと思います。
また,誤診かどうかという点に関しても,お互いに議論してもなかなか決着がつかない場合も多いわけですが,今日は剖検をして誤診がはつきりしたというようなケースを中心にお話しあいを願つて勉強の資にしたいと思います。私が誤診をしたというのでは「ああ,またか」ということになるでしようが,今日の先生がたは誤診などしそうもないかたがたばかりですので,その経験は私どもにとつていい勉強になることと楽しみにしています。
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