特集 ナースの生活—看護婦宿舎と勤務体制
私の寮生活 人間の名において批判する
川島 みどり
1
1日赤中央病院
pp.40-41
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912435
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寮生活—。今の私にとって,このことばは非常に縁遠いものとなった。それが数年前までは,私の全生活を意味していたのに。現在寮生活をしていないものが,寮のことを兎一や角いうと叱られそうだが,自分の体験を通して看護婦の寮生活を考えてみたいと思う。
学生時代の寮生活は,今思い出してもたのしいものである。消燈違反というスリルに満ちた思い出,わずか30分か1時間ばかり消燈の規則を破ることにより,能率は上らなくても,他人さまより勉強した気になったものだった。乏しいお小遣の中からお部屋のみんなで出し合って,カレーを作ったり,おじやを炊いたり小さなお鍋のまわりに集まって一日中の出来ごとを話し合ったりしたものだった。今でもクラス会の度に学生時代の寮生活の思い出はあたたかく楽しくはずむのだが—。
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