想園
他人のうわさ
中村 良子
pp.69
発行日 1964年4月1日
Published Date 1964/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912219
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《女三人寄れば》と諺がある。女100人,200人寄れば—と考えているところである。看護婦界ではだいたい,一宿舎単位が100人,200人である。私たちの日常の会話をみたとき,大部分が諺に反せず,うわさであり,その根拠が何であるかも確かめないうちに,大きく大きくなるものである。その内容は嫉妬であり,羨望であり,軽蔑であり,悪口であったりする。あること,ないことが混合されて,雪だるまのように話が大きくなるのである。世の中の通性かも知れないが—
もう女性も《三人寄れば》の諺から脱してもよい時代ではないだろうか。そしてまた,それを看護婦界にもって来たとき,看護婦の社会的向上云々する前に,まず改めなくてはことばの上で,職業内容の上で,学歴の上で,どんなに歯ぎしりしたところで,何になりましょうか。まずわが身の改善からして,業績を残した先輩の足跡をふみかためたいものである。
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