ルポルタージュ
日本看護協会—その歩みとゆくえ/特別会見記—林塩看護協会長に聞く
水野 肇
pp.46-51
発行日 1964年4月1日
Published Date 1964/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912210
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国電山手線の原宿駅から神宮の表参道を東へ約300メートル,右手に鉄筋6階建のビルがある。明治神宮に近く,付近は高級コーポラスや,東京都内には少ない緑の木立ちもあって,そのうえ渋谷には2キロという近さで,都内では一級の住宅地。この6階建のビルが「日本看護協会」である。昼だけではなく,夜もくっきりと輝くネオンは,全国10万人の看護婦たちのアイドルでもある。
このビルができたのは,32年11月というから,もう数年も前のことである。新宿にあった事務所が焼失したため建てられたものだが,当時の金で6358万円,347坪,鉄筋6階地下1階というのは,都民の目を見張らせた。いま建てるとすれば土地は別としても一億は優にかかる。それを看護婦さんの手で建てたというので,注目されたわけでもある。当時は“働く女性の手でできた最初のビル”として話題にもなった。その後,数年,看護婦問題がおきるたびに,このビルが看護婦の新しい“象徴”として世人に思い浮かべられている。
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