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現実の中でとらえた看護—《看護婦生活5年をふり返って》
中西 睦子
1
1静岡赤十字病院
pp.66-69
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911910
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中堅という言葉に
「もう貴女も中堅なのだから,ここらで一つ頑張ってもらいますよ」との言葉を頂戴したのは,もう一年余も前のことです。「中堅」というのは,ひたいがそろそろ広くなり出した方たちのことだと思っておりましたから「いいえ,とんでもない私なんぞはまだまだ」立派な新米ですとは,それでもさすがに言いかねて,あわてて指折りかぞえてみたものです。そして経験4年のレッテルも何ら意に介さず,同じ毎日を繰り返しておりました自分を,改めて,しみじみと振り返ってみました。この4年間の年月の間にも,有能な先輩看護婦たちが,すでに何人となく職を去り,未知数の後輩たちが,“我が道”への期待と危惧の念の交錯したような面持ちでそれぞれの新しい職場に送り出されて来ました。
さらに広く周囲を眺めてみますと,職種の異なる友人,知人の多くが,すでに自分の創意を彼らのproffessionの中に生かし,あるいは立派に釆配を振ってさえいるのです。そうこう思いをめぐらせた時に,4年,5年の歳月が何かいわれもなく重く感ぜられるようになっていました。
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