特集 肝臓病
腹水のたまった時の看護
鈴木 ツル
1
1弘前大学病院内科
pp.39-42
発行日 1963年3月1日
Published Date 1963/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911879
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腹水の貯留を来たす原因は,(1)門脈性高血圧症,すなわち肝硬変症や肝静脈血栓症(2)低蛋白症(3)血中にナトリウム貯留を来たす場合(4)毛細管透過性の亢進(癌性腹膜炎アレルギー変化)(5)リンパ系の変化である。この腹水の発現はいずれにしても疾病の進行につれて著明となる場合が多い。医師はその診断をし,またその症状に対して治療を行なうが,看護婦の立場からその症状に対する看護の面について,いろいろ考えなければならぬ点も少なくない。
たとえば腹水のため,呼吸困難や圧迫による疼痛を訴える場合には,できる限り楽な体位をとることを教えることが必要である。したがって腹水,のために生ずる諸現象をあらかじめ知っておかなければならない。
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