特集 貧血
貧血と薬
宮田 久寿
1
,
榎本 英寿
1
1日赤中央病院内科
pp.44-47
発行日 1963年1月1日
Published Date 1963/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911825
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貧血とは赤血球の数や,その中に含まれている血色素の量が正常値以下に減少した状態をいう。一般に血球は赤血球でも白血球でも血小板でも,それぞれ一定の寿命があって(赤血球では120日),寿命がつきるとともに死滅崩壊する。この補充は骨髄(白血球のうちリンパ球はリンパ腺や胸腺,脾臓などにあるリンパ組織)の中で行なわれていて,若い源の細胞が体みなく分裂してふえ,これが順序よく成熟して血液の中に流れ出て行く。血球の消耗と補充のバランスが崩れると,流血中の血球は正常の数量を保つことができない。
発生機転によって貧血を分類すると,(1)赤血球の消耗過剰による貧血と,(2)赤血球の生成,補給,減弱による貧血とに大別することができ,それぞれがまたいくつかに細分される。この機に貧血にはかなり多くの種類があり,種類によって療法を異にするので,貧血の治療にあたっては,まず貧血の種類を確定することがたいせつである。
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