医学の話題
人工心肺/蚊取線香/自動病状監視装置/胃潰瘍の新治療法
Y
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Q
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pp.76-77
発行日 1962年9月15日
Published Date 1962/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911737
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心臓の内部の異常や大血管の手術では,心臓を一時的に止めなくてはならない。必臓は正常時,ポンプの役目をして血液を体中に循環し,肺は,血液を空気中の酸素化する役目をもっているのはいうまでもない。しかし心臓を数分以上とめると,血液の循環は停止し,肺のなかの血流も途だえて,血液の酸素化が行なわれず,体中の細胞が酸素欠乏におちいってしまう。特に脳のように抵抗力の弱い器管では,その後いくら酸素を十分に送っても,もとの状態に戻らなくなる。そこで心臓のとまっている間は,人工的に作られたポンプ(人工心臓)と,血液の酸素化装置(人工肺臓)とで,心臓と肺の代わりをしてもらわなければならない。この考え自体は,19世紀の中ごろにすでに現われたが,実用化されはじめたのは今から数年前のことである。
酸素化装置には,血液中に酸素の泡を送り込むもの,血液を金あみの上に流したり,うすいポリエチレンの膜を通じて酸素と接触させるもの,たてに並べられたたくさんの円板の下半分を血液中に浸しておいて,円板を回転させ,円板の表面に血液をつけて上のほうを流れる酸素と接触させるものなどがある。
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