Nursing Study
小児リウマチ熱の看護
宮沢 良子
1
1東京逓信病院小児科
pp.53-56
発行日 1962年4月15日
Published Date 1962/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911608
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小児科にはどんな種類の患者が入院していますかという質問に,腎炎・気管支喘息・肺炎・リウマチ熱・先天性心疾患などの名前をあげると,小児にもリウマチがあるんですかと,よく不思議がられることがあります。同じリウマチ性疾患といっても,大人では関節に奇形機能障害を残すリウマチ性関節炎の形をとることが多いのですが,小児では主として心臓をおかしてくるリウマチ熱の形で現われてくるものです。小児リウマチ熱は一度罹患すると回復するまでに長期間を要し,再発しやすく,この再発をくり返しているうちに,心障害を起こしてくる率も多くなるもので,小児にとっては重大な疾患であるといってもいいと思います。
リウマチ熱はジョンズ氏の診断基準によりますと,これには大症状として,(1)心炎,(2)多発性関節炎,(3)小舞踏病,(4)皮下結節,(5)輪状紅斑の5症状があり,小症状として,(1)発熱,(2)関節痛,(3)心電図でP-Q間隔の延長(4)赤血球沈降速度促進C-Reaktive Protein(CRP)陽性白血球数増多,(5)溶連菌感染の既往,あるいはAntistreptolysin-O値(ASLO)の上昇,(6)リウマチ熱の既往または非活動性リウマチ性心疾患の存在があり,大症状が二つまたはそれ以上,大症状が一つ小症状が二つ以上あるとき,この患児をリウマチ熱と診断されることになっております。
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