患者指導のために・1
高血圧の患者指導
山口 雅子
1
1厚生年金病院内科
pp.65-67
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911590
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まえがき
最高の死亡率をしめる脳卒中は,その好発年令が家族的,社会的経済力に及ぼす影響が大きいものとして,その対策は重要な課題となり,高血圧をセンターなども設置されて,国民の関心も高まりつつあります。ここに看護婦の立場から高血圧症患者の入院から退院までの指導について23のべてみたいと思います。全高血圧中85〜90%は原因不明の高血圧すなわち本態性高血圧で,他は疾病があって起こる高血圧すなわち症候性高血圧であります。本態性高血圧の大部分は良性のもので,血圧は高くとも適切な摂生により,十分に日常生活を営むことができますが,ごく一部分は悪性でたやすく脳出血,心臓病,尿毒症などに冒されるものもあります。
入院時のオリエンテーション
高血圧症と診断されて入院される多くの患者は不安,焦燥,恐怖をもっておりますので,病室の状態日課,職員の紹介などの一般的なオリエンテションの他に,特に諸検査および治療に対する心構えを一応説明して心理的動揺を少しでも取り除くようつとめます。
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