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ソ連の旅に拾つた話題
井上 澄恵
1
1新川病院
pp.45-47
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911582
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このたびの旅行は,ICN大会に出席した春のオーストラリアへの旅とは方角が逆であるように,同行の仲間も全くおがつて,医師ばかり,男性のみとの旅であつた。それは「訪ソ医療親善視察団」という団体で,ソ連各地(モスクワ,レニングラード,キエフ,ソチ,イルクーツク,ハバロフスク,ナホトカ)の医科大学だの,医療施設だのを視察し,医療関係者と話し合いをして,大いに日ソ医療の交流にも役立ち親善を深くしようという目的とともに,ソ連のすばらしいといわれる社会主義ぶりをも見ようという考えで出発したものであつた。横浜からナホトカまで往復7日の船旅をもふくめてわずか1カ月間の日数で,あの広大な国を観て歩くというのであるから充分なことは何もわからないのではなかつたかとも反省されるが,とにかく雪のある処から海水浴を楽しんでいる土地まで,春夏秋冬の自然の変化,美しい草花木々の葉色をたのしみながら,ジェット機でとんで歩く文字通りのスピード旅行に,数々の話題を拾いまた落してきたようである。
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