看護サービス・10
応対の作法
永井 敏枝
pp.45,70
発行日 1961年11月15日
Published Date 1961/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911507
- 有料閲覧
- 文献概要
人に接する場合の一つ一つの注意として,ことばづかい,態度,身だしなみと考えてきましたが,人と応対するときにはそれらが統合されて現われるものです。日常私たちが患者さんやその他の人と応対する場合のいくつかの場を考えて,そのときの注意をあげてみます。応対にはその方式として対向応対と側面応対の二つがあります。対向応対とは机などをはさんで,あるいは単に向き合つて応対する方法であり,側面応対とは相手を横あるいはうしろ,ときには歩きながらというような応対の仕方であります。人に応対する場合は前者すなわち対向応対が最も理想的でありましよう。これによると,お互いに面と面とが向き合つているので,お互いの表情や,態度をまともに見ることができて,話すにも聞くにも都合がよいし和やかな応対ができ相手に満足を与えやすいものです。これに反し側面応対では応対者は,顔や,上体をねじつたり,横目で相手をみながら話すことになり,さらに何か物を読み書きや,他の動作をしながら話を聞くという形になりますので,相手は信頼しなくなるばかりでなく,ある人は憤慨するようにもなりましよう。また対向応対でも,同じ位置でなく,位置関係に上下があると,上の者のほうが下の者を威圧する感じが生じるものです。そこで人と応対する場合この高さ,位置の上下に気をつけたいものです。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.