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弱視の治療
赤木 五郎
1
1岡山大学医学部
pp.41-47
発行日 1961年7月15日
Published Date 1961/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911429
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まえがき
私ども眼科医が弱視と呼んでいるものは,眼に何らの変化もないのに,視力が低下しているものや,眼に何か病変があつても,それだけでは説明できないほど強い視力障害を訴えるものを意味している。したがつて,眼鏡で十分な視力が得られる近視や乱視などは,弱視の内にははいらない。また視力低下に相当するだけの強い病変が明らかに認められるいわゆる中毒弱視や脚気弱視なども,この内には含まれていない。
このような弱視がどのような原因で起るのか,という点はまだよく判つていないが,従来日本では,弱視は先天的な欠陥のために起るものであつて,色盲と同様に不治の病気である,と考えていた人が多く,そのために治療もほとんど顧みられないで,放置されたままのようである。
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