職業的調整講座・2
じっくりと
古屋 かのえ
1
1国立東京第一病院附属高等看護学院
pp.26-29
発行日 1961年1月15日
Published Date 1961/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911232
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1.勇気を出して言おう
こういうことを書いたらいけないかな?と,一応は躊躇したのであるが,じつくりと考えたあげく,私も日本国民として法の範囲内においては立派に信仰,思想,言論,学問等を含めた精神活動の自由を認められているのである。言うべきことも言えないとなつたら,もう言論の自由どころか,民主主義からははるかに遠い世界になつてしまうのである。個人の何物にも侵されない自由な精神活動こそ,個人及び国家社会の発展の原動力ではないか。皆で考えるべき問題を含むと思うが故に,そしてこうした事件が一人私共の学院のみにあつたことではないと聞かされたが故に,あえて言わせていただこう。書かせていただこう,と勇気と責任とを以てこの拙い第二講を執筆した次第である。
実は私共の学院の戴帽式の時,こんな一事件があつたのである。
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