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小児科における与薬の仕方
石本 久子
1
1国立岡山病院小児病棟
pp.29-33
発行日 1960年8月15日
Published Date 1960/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911142
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小児科という特殊な科に於ける与薬の方法については,大人に対するとは異つた方法,態度,心構えが必要となつて来る。子供は治療手段を理解することができないのて,不快な事,例えば苦しい薬,痛い注射等に対しては,極力これを嫌がり又全身をもつて抵抗を示すものである。この際これらの行為を強制したり,又看護婦の不注意による行動や言葉により,子供に与える恐怖心,心配,怒り等は,子供の心に精神的外傷として残るものであるから,心理状態への考慮も必要となつてくる。従つて小児に行われるこれらの治療行為について,或る場合は子供に説明し,できるだけ納得させ,又それが不可能な場合でも,心理的外傷の程度を出来るだけ少くするため細心の注意をはらうとともに,より安全に治療を行う為正確な技術を習得することは,我々看護婦として大切なことである。これから当小児病棟に於いて日常行つている与薬の方法について述べたいと思う。
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