講座
看護婦の静脈内注射と法解釈について
仮家 達朗
1
1大阪大学医学部武田外科教室
pp.69-72
発行日 1960年6月15日
Published Date 1960/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911119
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かつて,看護婦が静脈注射の際,薬剤を誤つて患者を死に至らしめる事件があつた。その裁判において,最高裁は結局,その事件に直接関係した,薬剤師,事務員,看護婦を有罪とした。が,その場合残る問題は,誤薬のこと以外に,果して看護婦が静脈注射をすることが,適当であるか否かということである。当時は看護婦の静脈注射は違法行為であるとの説が普遍的であつたが,それを不合理だとする説もある。法律的,医学的,職能的な面から,そう主張するのがこの一文である。
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