2頁の知識
湿疹(eczema)について
安田 利顕
1
1関東逓信皮膚科
pp.28-29
発行日 1956年6月15日
Published Date 1956/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910996
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皮膚が湿潤していて,痒い皮膚病は総称して広く湿疹と呼ばれているが,俗語には「クサ」という名がある。しかし,私たち波膚科の專門家は,本症の特徴として次のような点をあげている。
1)湿疹本来の発疹—個疹と呼び,これが病変のどこかにあるため,湿疹の診断が下されるのである—は,粟粒大の小さな丘疹で,その頂点に小さな水疱をもつている。これは漿液性丘疹(Sero-papel)と呼ばれる。痒くて引掻くと,その表面の薄い表皮の膜が破れて,小水疱の中の液体が流れ出てくる。このため,湿疹の皮膚面は湿潤している。これが湿疹と呼ばれるゆえんである。
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