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「看護学雑誌」12年の歩み〔6〕
長谷川 泉
1
1医学書院編集部
pp.33-36
発行日 1958年9月15日
Published Date 1958/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910685
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編集室も読者に溶け込んで
雑誌の編集室が,お高くとまつて読者から遊離してしまつては,雑誌はよくならない。編集の仕事などというものは泥まみれの仕事なのだ。どんな場所でも,読者と共に歩む決意がなければ,読者は雑誌に親しみを感じ,本当にその雑誌を自分たちのものとして愛読することにはならないであろう。「愛読者編集号」の如きはその意味で生れたものであつた。「看護学雑誌」の編集室も,だんだんとその呼吸を呑み込んできた。地方の読者から誠意をこめた親しい手紙が編集室に舞い込むようになり,一種のファンレターのようなものが編集室に寄せられるようにならなければ,本当に血肉をわけた編集,末端まで神経の通つた雑誌はできあがらないだろう。
たとい,どんなささやかなものであつてもよい,1枚の押し花でもよい,読者から寄せられた1通の手紙は,どんなにか編集室の空気を刷新し,編集者を元気づけ,明日の努力へのスプリング・ボードになることか。そのような読者からの押し花を誌上に紹介したようなこともあつた。
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