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「看護学雑誌」12年の歩み〔5〕
長谷川 泉
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1医学書院編集部
pp.64-67
発行日 1958年8月15日
Published Date 1958/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910674
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裏表紙じやないかと皮肉られた第3の表紙時代
ナイチンゲール像を捨てて「看護学雑誌」が第3の表紙に変つたのは,第7巻1号,即ち昭和25年1月号からである。これは,写真のように真中が白くぼやけて透ける模様の色刷りで,その中央に目次が十字になるように按配して排列されたものであつた。表紙の地色は,毎号変化し,大体その時々の季節の色を反映していた。即ち4月は桜を象徴するピンクに,5月は若草を象徴するもえぎ色に,10月は紅葉を象徴するオレンジ色にといつた具合であつた。
この表紙は,思い切つたデザインで最初はあつと言わせたものであつたが,だんだんあきられるに従つて,何の奇もない単調さから中には裏表紙ではないかと間違えると悪口を言う者もあらわれた。しかし,この表紙の時代は,案外長く続き,次の表紙に変つたのは17巻1号からである。即ち,昭和30年1月号であるから,何とかかとか言われながらも5年間の長期間続いたことになる。その点では,編集室はこの表紙について自信を持つて保守派の態度を持した。この表紙の期間に「看護学雑誌」の地位は不動のものとなり,部数も一段と飛躍し,今日の基盤が築き上げられた。
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