口絵
水死者の人工呼吸—水難とその応急処置
藤岡 孝子
1
1自衛隊中央病院看護部
pp.5-13
発行日 1958年9月15日
Published Date 1958/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910677
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
現在水難者に対しての人工呼吸法としてはニールセン法が広く採用されている.これは,1932年,デンマークのホルガー・ニールセン氏がジルベスター法とセーファー法を組み合わせて考案したもので,わが国には昭和28年(1953)ごろから普及宣伝されるに至つた.この人工呼吸法は溺者を俯臥位にし,術者は溺者の頭部側に位置し,両手で肩甲部を圧迫して呼気を起す動作を行い,更に溺者の腕を引きあげて胸廓を十分広げて吸気を行わせ,次いでその腕を元にすれば呼気が生じる.このように2つの動作が組み合わされている.ニールセン法は呼吸気量が他の方法の倍以上(第1表)多いので,だれにでも容易にできて最も効果的実用的な人工呼吸法であると断定できる.
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.