講座
疲労の科学—Science of Fatigue
大島 正光
1,2
1防術庁航空幕僚監部・技術研究所
2労働科学研究所
pp.161-168
発行日 1957年10月15日
Published Date 1957/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910458
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疲労(Fatigue)とは何ぞやということについては古くから数多くの論争のあつた課題である。しかし疲労とは元来我々の心身の中にある直接的な現象ではなく,生体に見られる諸現象から抽象化した一つの概念であることを忘れてはならない。どういう現象をとりあげ,それをどのように量的表現にかえ,それを階層化して疲労の程度の分類をするかということが,疲労の概念を形成する手順である。疲労の現象としては,(1)自覚的疲労症状,(2)他覚的な生体の諸変化,そして(3)仕度の能率や欠勤罹患など疲労の結果として表れる諸現象の3つの項目を対象としてゆく必要がある。
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