扉
近所めいわく
pp.5
発行日 1957年7月15日
Published Date 1957/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910384
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国鉄労組従業員の,春季闘争にはどれ程一般国民はめいわくをこうむつたかしれない。殊に,例の「ぬきうちスト」に至つては全く言語道断,彼等は一体何んのために,何を考えて仕事をしているのであろうか?と疑つてしまう。しかも其の仕事の性格が,あれ程大きな公共性をもつていて,重要なサービスであるにおいてである。「職場大会」というまことにもつともなうたい出しをしているのであるが,勤務時間内に実施することであつてみれば,明らかに「ストライキ」であつて,ただそういわないだけのものであるから,不都合である。そして其の後,眼に余つたその実力行使に対する処分が発表されると,今度はそれが気にいらない,不当処分であるといつて,又々「職場大会」という「スト」行為を,しかも一般国民の大切な休養日である土,日を中心におこなうというあくどさである。一体処分をしたのは誰なのか?よく考えてほしいものだ。国民にめいわくを及ぼすなど,やつ当りとしか考えられない。とんでもない近所めいわくな話だ。さて,心の中でプンプン怒りながら国電にゆられていると,或る駅からのりこんで来た4〜5人の女子高校生達が,はいつて来た時からケラケラ笑つていたのだが,出入口の近くの鉄棒のまわりに立つていて,たのしそうに今日あつた出来事を話し合つているのだが,笑つたり,尻をたたき合つたり,大きな声でベラベラとあたりかまわずしやべつているので,思わず皆がそつちをみている。
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