扉
麻酔と看護
高須 婦美子
pp.17
発行日 1957年4月15日
Published Date 1957/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910312
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麻酔後の看護とは嚴密に云えばrecovery roomに於いての麻酔覚醒までの間の看護をいう。しかし,手術室勤務外の看護婦,つまり私共すべて看護に当る者としてはどのような麻酔方法で,どのような薬品を使用しているか,又その薬品の作用はどうであるかを良く知つていなければ本当の看護をする事は出来ない。
例えば,一般に麻酔と云つても其の深度によつて多少注意も異つてくる。又麻酔に入る前に患者の精神の安定を助ける事は看護婦の大きな仕事である。患者の恐怖,不安等により酸素の消費量が著しく増加し,またアドレナリンの分泌を高め,麻酔に入る時に長い興奮期があつて円滑に麻酔が進まないような害がある。しかしこの恐怖や不安は,看護婦の,麻酔,手術に対する合理的な又親切な説明によつて相当に取りのぞく事が出来ると思う。
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