輸液 ある個人教育の経験より・8
脱水[1]—脱水症の分類
和田 孝雄
1
,
近藤 和子
2
,
梶原 めぐみ
3
1慶応義塾大学医学部内科
2慶応義塾大学病院
3慶応義塾大学医学部付属厚生女子学院
pp.865-868
発行日 1980年8月1日
Published Date 1980/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919025
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高張性と低張性の概念
近藤 脱水症とは水とナトリウムが喪失した状態であるといわれていますが,脱水症の分類として高張性脱水症,低張性脱水症というような分け方をよく聞くんですが,こういう分け方は一般的なものなんですか.
和田 これはまた難しいことをおっしゃいますね.それに答える前に,脱水症の分類をみてみましょうか.図1を見てください.2本ずつ柱が並んでいますね.これは低ナトリウム血症,それから高ナトリウム血症のところで説明したのと同じように,ナトリウムや水の柱です.この柱の長さがナトリウムあるいは水の量を表しています.O番のところにある正常な場合を見てください.水とナトリウムの柱がほぼ同じ長さになっています.次に,ナトリウムだけ足りなくなったという状態をいちおう想定してみましょう.そうすると,1番になりますね.
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