私達の研究
体温測定(2)
福島 三保子
1
1福岡赤十字病院
pp.45-49
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909775
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.口腔検温
1)恒定温度に達するまでの時間
(検温所要時間について)
基礎看護法においては,口腔検時間は5分と指定してある。また市販の体温計は1分計,3分計,5分計と検温所要時間により計器の種類を分けている。現在5分以上を指示してある体温計は殆んど見られない。そして所要時間の短いものほど重宝がられている。
しかし検温実施中に殆んどの人が気付くように,実際に1分間計つた体温と,5分間計つた体温,あるいはそれ以上の時間をかけて計つた体温とをくらべて見ると,それ等が一致していることはごく稀である。大低の場合,1分間より5分間の方が,あるいは5分間以上をかけた時の方が体温は高い目盛を示している。時間をかければかけるほど体温は高くなつている。しかし人間の体温が一定である以上は或程度まで上昇したらその上はいくら時間をかけても,もう上昇しないという限度があるはずである。この温度をわたくしはかりにここで恒定温度と呼び,これが私たちの計測し得る最も正確な体温と考える。この恒定温度に達するためにはどの位の時間が必要であるかを知りたいと考えて私は次のような実験を行つた。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.