発行日 1954年12月15日
Published Date 1954/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909718
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みなさん,寒い季節が近ずいて来ました。今月からは世間で起つている,いろいろの問題を取上げて,みなさんと一緒に考えてみたいと思います。勿論毎日の新聞やラジオは,いろいろのニユースを伝えていますが,ここではその時々の問題のうちでもつとも私たちに関係の深い問題を取上げたいと思います。前書が長くなりましたが,今月は私たちが毎日欠くことの出来ないお米の問題について考えてみましよう。
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豊葦原の端穂の国といわれた我が国でも,戦後は実りの秋ともなれば.お米をどのくらい供出するかで農林省と各県知事の意見が対立するのは,一種の年中行事となつています。これはお米の統制が続くかぎりなくならない宿命的なものですが,今年も10月の初めから供米割当の交渉が難航して,ようやく10月20日に新しいお米の供出割当が決まりました。それによりますと,義務供出は1,830万石,供出確保総量(超過供出も含めてこれだけは集めるという予想買付量)は2,249万石,早場米奨勵金の支払期日を10日間延ばして12月10日までとすることになつています。
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