講座
腰の訴え(その2)—整形外科
森崎 直木
1
1東京女子医大
pp.37-40
発行日 1954年10月15日
Published Date 1954/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909655
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腰部の疼痛とか,腫脹を主訴としたいわゆる腰の訴えは,種種の内臟の疾患の時にもみられ,内科,内臟外科,泌尿器科,産婦人科などで診療されているが,骨・関節などの運動器宮の疾患を取りあつかう整形外科に於ても,この腰の訴えはなかなか多いものである。従つて上にあげた他の科の診察で,内臟器官に異常なしと診断された腰の訴えを有する患者は一応,整形外科で診てもらう必要がある。又整形外科で,骨関節などの運動器官に異常なしとの診断とうけた患者は,他科に廻つて内臟疾患の有無について診察をうける必要がある。
整形外科で腰の訴えといえば,主に腰部の疼痛,重い感じ,だるい感じといつたいわゆる腰痛である。このような痛みという,他人には患者の苦痛の程度を正しく認識することのできない感覚を主訴とする患者の診断はなかなかむずかしいものである。
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