學院だより
横濱赤十字高等看護學院
乃木 みどり
pp.45-48
発行日 1953年1月15日
Published Date 1953/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907229
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1入學。4月3日。眞美,入學2日目の感想は如何ですか。今日は當學院にも可愛いゝ1年生が18人入學しました。「その道は銀の道,私等はゆくであろう。(立原道造)そして貴方達も。朝の日かげはやさしくあたりを照らし,花の一つ一つに露がきらめいて,ほこらな百合の花の様に。眞美,貴女も今私の前に竝んでいる人達の様に,そちらで立派なナースになるのだと胸躍らせているでしよう。おめでとう。心からお祝い申し上げます。白衣はナースの象徴。純白の美しさ。富も位も權力もいらない,無私と眞實。貴女の名の様に溌らかなナースになつて下さい。18人の彼女達を貴女と思つて愛しましよう。眞美もお友達と手をとり合つて,先輩の方々のお教えをよく聞いて勉強して下さい。昭憲皇太后御歌「四方の国」で嚴かな式を閉じ,白き月かげ,森を照らし,美しい調がランプの灯影に滿される頃,可愛いゝリンゴが18ケ。湯氣の立つお汁粉を前に恥かしそうに並んでいる1年生。腕をふるつた歡迎會。名乘り合つても一寸分らない。上級生の視線をまぶしそうに日頃自慢のノドもつまつて,毎年開かれる入學第1夜の催し束の間に時間が流れ,9時の始めての點呼もお行儀よく濟んで,さて今宵は何んな夢をみるでしよう。おやすみなさい。さようなら。
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