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日本腦炎の疫學
三橋 千秋
1
1都立駒込病院
pp.9-12
発行日 1950年10月15日
Published Date 1950/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906716
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ヴイールス(瀘過性病原體によつて起る腦炎が澤山知られています。その主なるものは1916年から17年にかけてウィーン附近に流行した時エコノモと云う人が嗜眠性腦炎と名付けたものを始めとして日本腦炎,アメリカのセントルイス腦炎,同じく馬腦脊髓炎(東部型と西部型とがある),オーストリアのX病,ソ連極東腦淡(春夏腦炎,森林ダニ腦炎等とも云う)等であります。このうちエコノモ型腦炎は冬から春にかけて流行し,極東腦炎は春から初夏にかけて流行しますがその他の腦炎はすべて夏流行します。
これ等のうちエコノモ型腦炎は一時世界各地に發生しましたが,20數年來姿を消してしまいましたし,オーストラリアのX病も同じ頃から絶えてしまつたようです。然しこのX病は今では日本腦炎と同一又は極く近い關係にある腦炎であつたらしいと考えられています。
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