特集 助産婦さんはこうあってほしい
働く婦人の立場から
働く婦人のために大きな方向転換が必要
小沢 直子
pp.22-25
発行日 1967年4月1日
Published Date 1967/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203376
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わが国の女子労働者の特性として,結婚前の短期的就労が一般的であったためとりわけ未婚の婦人が多く,勤続年数の短かいことがあげられてきたが,近年,雇用の増大,若年労働力の不足,物価高の家計におよぼす影響などから既婚婦人の職場への進出が目立ち,結婚後も仕事を続ける婦人が増えてきた.ということは,働くことが結婚前の一時期に限られていた形の多かった従来に比較して,労務管理をはじめとして母性保護管理についても,新しい対策が期待される段階であると思われる.
すなわち,1965年平均の婦人労働者数は873万人(総理府統計局労働力調査)で,そのうち有夫者は35%,その死離別者を合わせると46%が既婚者であり,年々増加の傾向をたどっている.婦人労働者の約3分の1が,妊娠・出産あるいは育児という問題に当面せざるをえない状況に立っているということがいえると思う.かような婦人労働者は,年々増加する傾向にあるのであるから,婦人労働者中に妊娠あるいは出産者の割合が増加する基盤をそのなかに含む可能性そのものも,また増加する傾向にあるということがいえるのではないかと思われる.
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