Japanese
English
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誤診した癩の1例
A CASE OF A WRONG DIAGNOSIS ON LEPRA
岡田 実茂
1
Saneshige OKADA
1
1長崎大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicin, NagasakiUniversity.
pp.299-302
発行日 1964年3月1日
Published Date 1964/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203735
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I.はじめに
第61回日皮学会総会の席上群馬大学の山碕教授より類肉腫と誤診された癩腫癩の1例の報告があつたが,その症状の多様性により,癩の診断にはときに惑わされることが少くない。この種誤診例を桜井その他の報告より拾つてみると,尋常性痤瘡,皮膚白血病,淋巴肉芽腫症,鞏皮症,進行性筋萎縮症,尋常性白斑,ゴム腫,神経線維腫,多発性軟骨腫等々種々雑多で,その多くは癩の初期像又は相当治療後の吸収期の病像についてなされている様である。
われわれも神経肥厚,知覚障害等を全く認めずその臨床像より皮膚細網症を疑い,治療中,偶々その皮疹より豊富に癩菌を証明した癩反応の急性浸潤と考えられる1例を経験したので報告する。
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