発行日 1949年8月15日
Published Date 1949/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906504
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看護婦の教育程度が一般に低いため職業としては貴いものでありながら,むしろ輕蔑されている位です。普通高等小學校卒で養成科に入る日本の現状ではさう思われても仕方のない事だと思つて居ります。隨つて日常生活にもいろいろな教養の面が現われてまいります。先生方に對する,又患者等に對する態度等親しい友達と話している時と同じ態度です。何でも程度の問題ですが,やはり親しき仲にも禮儀ありの言葉をよく心に置かなくてはいけないと思うのです。此の話で一寸思い出しますが,お友達と教養についてお話したのですが,學校さえ出ていれば其の人の教養はあると言つておりましたが,勿論そうゆう方もたくさんいらつしやるでしようが,必ず學校を出たからと言つて教養が其の人に具わつていると言う事は絶對にないと話した事を思い出します。そして學校を出た出ないに限らず,自分自身の自覺に依るものだと思つております。
アメリカでも6,70年前位は看護婦の教育程度も低く,社會からも良い職業とされていなかつた樣で,お互に努力し助け合つて今日の水準になつたのだそうですが,日本でも同じ事だと思うのです。そしてお互に助け合いながら進んで行けば必らず努力の結果が向いて來ることを信じます。而しそれも協力して下さる,又指導に當つて下さる醫師達がいらつしやらなければ,やはりいろいろな點に於いて不利だと思うのです。
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