発行日 1949年1月15日
Published Date 1949/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906413
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私共結核豫防と撲滅を目指して働いておる者達にとりまして,戰爭はそれと全然正反對の結果をもたらすもので今次の戰爭後の悲慘な状態を見ます時に私共は戰爭以上に重大な責任を荷はされた感じが致します。これは結核に限らず他の分野におきましても同樣の事で御座いませう。
事新しく申上げる迄もなく,看護婦の仕事と中しますものは順序正しく手を下して行かねぱならぬ忍耐を要する仕事で御座いますが同時に醫師の手の屆かぬ部面に迄も達し得る特權を有しておりますだけに,結核の樣な凡ゆる社會,凡ゆる階級の人々に亙つている病氣を對象と致します時に私共の心掛け一つで,結核豫防撲滅の運動に大きな貢獻をなし得ると信んじております。そして結核戰線に働く同志の協力の必要さを新たに泌々と感じるのでござゐます。此の協力と云う點に就きまして,私共のよく考へなければならない又自身をいましめなければならない事は,一般に日本の婦人にありがちな缺點である狹量さ,それから起る婦人同志の協力,即ち廣い心をもつてお互に盛り立て助け合つて行く氣持ちの少ない事でござゐます。こんな事のために,再建日本の結核豫防の仕事の發展が幾分でも妨げられる事のない樣心掛け度いと存じます。
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