発行日 1948年4月15日
Published Date 1948/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906312
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農村の保健指導に従うようになりましてからまだ日が淺いわたくしに,しみじみと實感されますことは,いまさらちんぷな言いぐさかも知れませんが,農村の衞生教育ということであります。この農村の衞生教育について保健婦のたちばから,わたくしが實地の經驗を通して感じたことをを述べてみたいと思います。
まず衞生教育の目的と方法について,衞生教育の大きな目的は,衞生知識の向上と,それを實際の日常生活にうつすことが,とりもなおさず,人びと自身にとつて有利なものとなり,幸福をもたらすゆえんであるということをさとらせることであろうかと思います。したがつて,衞生教育は,いつもこの線に沿つてなされなければならないと思います。講演・映畫あるいは健康週間などという系統的な衞生計晝が衞生教育におよぼす効果の大きいことはいまさら言を俟ちませんが,又一方保健婦各自の日々の指導,ことに患家訪問という事業が,地味でありながら,衞生教育の面において,ほんとうに大きな役割を演ずるものであるとわたくしは信じます。
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