研究報告
農村乳兒の衞生—特に社会的階層間の状況について
國見 辰雄
1
1東京医科齒科大学組成学教室
pp.43-46
発行日 1954年4月15日
Published Date 1954/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201372
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関東地方北部の一純農村を対象として,農民の生活環境と衞生状態とを対比して,調査したものの中から特に興味あると思われる。乳児の出生から死に至る迄の経過を報告する。
生活環境を生産生活の環境と消費生活のそれに区分する。前者は労働条件であり,後者は文化水準の問題である。農民の場合,農業労働の条件と衞生の問題は主として労働科学として取扱われ,文化水準は又種々な指標を用いて明らかにされて居る。私は栃木県河内郡絹島村の全人口約5000を社会科学的方法に基いて,必然的にその対象人の農業労働の条件に,質量共に差異を示す階級を区分した。即ち,1)2)3)4)
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