発行日 1948年3月15日
Published Date 1948/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906294
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緒言
臍帶は其長短,形状,附著點等に種々の異常を來し,爲めに妊娠及び分娩經過に障碍を來し胎兒の死亡を誘起することがある。即ち,過長・過短臍帶,卵膜附著,捻轉異常,纒絡形成及び結節形成等がさうである。臍帶結節には僞結節及び眞結節の2種があつて,前者は靜脈の瘤状擴張,動脈の蔓状纒絡に由るか又は多くはワルトン氏膠樣質の堆積によつて生ずるもので臨床的意義は少い。之に反して胎兒が子宮腔内に於て運動するに當つて偶然臍帶締係を通過して,次で之を絞引することによつて形成せられるものが即ち後善で,比較的に稀で,其發生機轉が甚だ興味があると共に結節が固縮されれば胎盤血行の障碍を來し,胎兒死亡を見るに到るものである。著者の1人八木は嚢に其1例を報告した(臨床婦人科産科掲載豫定)が,最近再び經驗したので茲に報告する。
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