看護學講座
外科看護法
湯本 きみ子
pp.50-53
発行日 1947年12月15日
Published Date 1947/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906270
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
手術後合併症
褥瘡(Bed-Sores)
褥瘡が患者に出來,それが惡くなると云ふことは,其の看護婦の看護の技術が劣つて居るためだと迄に云われて居ります。褥瘡は,或る局所が長い間壓迫されて,血液の循環が妨げられ,局所的貧血を越した場合に發生する。主に起る場所は薦骨,尾骶骨,踵,肩,肘の突起状骨のある所である。それで一般病人が長い間動かずに同じ位置で寢かせ,局じ所を壓迫して居ると,誰でも褥瘡を生ずる可能性はあるが,衰弱した患者には特に起り易い。尿失禁患者,糖尿病患者は,特に此の褥瘡が起り易いものである。褥瘡の直接原因は壓迫であるから,「シーツ」の皺凹凸のある布團,患者の「ベット」の中に入つて居る屑片等は褥瘡を生じ易くする。又兩便の失禁,發汗等も誘因となる。故に患者を清潔にし充分なる看護をすることは,褥瘡の發生を防ぐ。
Copyright © 1947, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.