講座
整形外科看護法(その2)
松本 喜美子
1
1東京逓信整形外科
pp.28-33
発行日 1955年5月15日
Published Date 1955/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909829
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先天性形態異常
いとぐち
四肢躯幹における先天性形態異常は,外傷,骨結核などとともに整形外科における重要な対象であり,その範囲も広く,治療及看護の面でも重要である。
まず広い意味での形態異常と呼ばれているものは,整形外科ではこれを更に奇形と変形にわけて考えている。即ち胚芽の欠損や異常による先天性一次性の形態異常を奇形と呼び,先天性であつても胎内での機械的圧迫,環境,疾患,等の二次性の影響によるものを,変形(この場合,先天性変形)と呼ぶ。前者の奇形には脊椎披裂や兎唇,多指症,脛骨欠損等があり,後者の先天性変形には普通の先天性内反足,斜頸,分娩麻痺等がある。胚芽異常による奇形にはしばしば遺伝性を示すものがある。後で述べる先天性股関節脱臼は奇形的の要素と変形的の要素と両方を含んでおり,その成因は現在なお明らかではない。
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