講座
整形外科看護法(その1)
松本 喜美子
1
1東京逓信病院整形外科
pp.54-61
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909793
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まえがき
近年整形外科の進歩発展はめざましいものがありその領域もとみに広く,学問的方面にも臨床実地面にも日にその重要度は加わりつゝある。このめざましい発展過程にある整形外科の主対象たる外傷,骨関節疾患は,育成医療,更生医療等今日の重要な社会医療の最も直截な対象であり,これによつて無数の肢体不自由児の発生が予防され,治療され,或いは身体障害者が救われている現在,この方面の看護の実清はどうであろうかと考えて見たい。
整形外科はこのように著しい進展を示しつゝあるとは云え,しかしまだ一般には躯幹及び四肢の外科としての内容面が理解されず,甚だしきはいまだに美容整形と混同されるほどであり,いさゝか専門的な立場にある私どももその見地に立つて常にこれの普遍性をねがつてやまないのである。そこで私は整形外科専門看護婦としての立場からその看護のあり方について述べて見たいと思う。
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