推計學
推計學算法(1)
宮 信一
1
1東京大學醫學部産科婦人科學教室
pp.30-32
発行日 1951年1月10日
Published Date 1951/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200431
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昭和17年頃だつたと思う。ガリ版のテキストで,增山元三郞博士の御講義を數月拜聽したことがあつた。年は流れ,このガリ版のテキストも「小數例の纒め方と實驗計劃の立て方」という御著書となり,我國の研究者への近代統計學の普及導入に大きな役割を果し,研究者の大きな關心を換起させた。そして私共の屬する産婦人科學會でも,「推計學的檢定により,有意性を認めた。」といつた演題が決して耳新しくはなくなつた。これは增山博士其他の先進諸家の功に歸するものであり,事實米國に於ては,F分布表を實用的にまとめられたSnedecor教授の私に與えられた私信によれば,臨床家の實驗の設計は貧弱で,正しく分析されておらないといつた意味のことを述べられていたことから判斷すれば,情況の差異はともかく,臨床家には日本程採用されておらないのではなかろうか。勿論米國で推計學が各分野に亙つて普及していないというのではない。又相對的に推計學的云々の言葉の用いられることの多いであろう我國臨床醫學の領域でも,その普及度に甚しく凹凸のあることを認めねばならない。
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