特集 何が“縛らない”看護を支えるのか
より質の高い高齢者へのケアをめざして
当真 美榮
1
,
島袋 加代美
2
,
佐久川 政吉
3
1医療法人アガペ会北中城若松病院
2医療法人アガペ会北中城若松病院教育課
3医療法人アガペ会北中城若松病院グループホーム準備室
pp.832-835
発行日 1999年9月1日
Published Date 1999/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905922
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はじめに
医療法人アガペ会は,1987(昭和62)年4月に古い集落や文化財が残っている沖縄本島中部地区の北中城村に病院を開設し,13年目を迎えている.現在までに,北中城若松病院(療養型病床群115床:2単位,精神科病床108床:2単位),老人保健施設若松苑(100床:2単位),訪問看護ステーション若松,ヘルパーステーション若松,北中城村在宅介護支援センター等を開設し,主に高齢者を対象に地域に密着したサービスを行なっている.(看護配置に関しては表1を参照).
病院開設当初より,寝食分離を目標に離床に努めてきた.しかし,日中の活動性が高まるにつれて,歩行時の転倒,車椅子からのずれ落ちや転落等の事故が目立ち,安全帯と称しての車椅子抑制が日常的に行なわれていた.そのような状況下で,1997(平成9)年に開かれた第5回介護力強化病院全国研究会での上川病院による抑制廃止のパネル発表を聞き,大きな衝撃を受けた.当法人の現状を顧みて,「抑制」を「縛る」こととして認識する必要性を痛感し,ケアの質の向上をめざして抑制廃止に向けて取り組むことを決意した.
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