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『鉄腕アトムは実現できるか?ロボカップが切り拓く未来』—(松原 仁著,1999年)
横井 郁子
1
1東京医科歯科大学
pp.686-687
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905890
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職場のコンピュータ導入に恐怖心を抱いたとき
どこの病院も情報部門の充実に力を入れ始めました.情報を素早く手に入れ,また共有することは,的確な診断・治療に大きく貢献します.そのため各部署にパソコンの端末が引かれ,その場でデータの出・入力ができるようになりました.
私も最近,情報システムが充実した大学病院で受診しました.私の血液データなど10年ほど前のものまでズラーッと画面に表示され感心しました.私と医師の両者で画面を眺めています.医師は検査項目の入力を始め,私はジジジーと出てきた印刷物をもらって診察室を後にしました.私自身,パソコンは仕事上なくてはならない存在ですから,この診察はそれほど違和感もなく,かえって他科のデータを含めすべてのデータが資料となっていることでの安心感がありました.しかし,私とその医師が顔を見合わせた時間,回数はどの程度あったでしょうか.本来の「診察」の姿が変化していく危惧も感じてしまいました.
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